ピースワンコ・ジャパンという団体に、ふるさと納税を使った寄付ができると知ったけど、どんな団体?
寄付した場合は実際にどんなことに使われるの?
こんな風にお考えの方へ、ピースワンコ・ジャパンの活動について実際に犬を育てている私の目線でご紹介します。
▶.ピースワンコ・ジャパン
ピースワンコ・ジャパンの活動
ピースワンコ・ジャパン(代表理事:大西健丞)は人間の飼育放棄などの様々な事情で、殺処分される予定だった犬達を保護し、安全な環境の提供、飼育、譲渡活動を行っています。
災害救助犬やセラピードッグの育成にも力を入れています。
ピースワンコ・ジャパンの殺処分対象犬の引き取りは2012年から開始しました。
ピースワンコ・ジャパンの本拠地である広島県で、2011年度の犬・猫を合わせた殺処分数が8,340頭(犬2,342頭、猫5,998頭)、全国ワーストを記録したことがきっかけです。
保護地の整備、人員確保などの整備を進め、少しずつ引き取り頭数を増やし、2016年4月1日より広島県の殺処分対象犬の全島引き取りを開始しまして、殺処分機の稼働をストップさせています。
保護犬達はピースワンコ・ジャパンで健康管理やしつけを行ったうえで、全国8か所ある譲渡センターにて里親探しの活動を行っています。
殺処分の候補犬だった夢之丞が、2014年8月の広島土砂災害で行方不明者を1名救出したというニュースは私自身も記憶しています。
こちらでは、ピースワンコ・ジャパンの実際の活動について解説します。
殺処分予定の犬の保護・飼育
飼育環境
犬を実際に育てている私が、まず気になったのは飼育環境です。
ピースワンコ・ジャパンでは、7万平方メートル以上の保護犬の収容用地を確保、約4,200平方メートルの庭付き犬舎施設や8,000平方メートル以上のドッグランがあります。
広島県の殺処分対象犬の全頭を保護し、清潔で安全な環境で犬を育てるには必要な広さと環境です。
また、犬は吠えるのでご近所への配慮が必要となり、高原のような環境が必要不可欠です。
また、ドイツの動物保護施設「ティアハイム」を参考に作られた犬舎は、犬たちが体調を崩すことなく過ごせるよう冷暖房完備、清潔に保たれている様子が動画から確認できます。
老犬や病気犬などが暮らす専用のシェルターも完備されていて、犬が安心して休める環境が整っています。
去勢・避妊手術
ピースワンコ・ジャパンでは、生き物本来の機能を大切にしたいという考えから、年齢や病気の有無など医学的な観点から総合的に判断し去勢・避妊手術を行っています。
また、保護犬の頭数増加にともなって、一頭一頭の健康に留意しながら手術を進め、2020年12月現在は、2000頭を超える犬たちが不妊手術を済ませています。
ワクチン・予防接種
ピースワンコ・ジャパンでは専用の検疫シェルターがあり、保健所などから引き出しされた犬たちは各シェルターへ移動する前に数週間滞在します。
検疫施設では、フィラリア検査や混合ワクチンの接種、マイクロチップの埋め込み、フィラリア検査、ノミダニ予防薬、血液検査など、基本的な処置を行います。
これらの費用だけで一頭あたり約5万円がかかります。
譲渡を受けたいと考える側になると、ワクチンや検査、マイクロチップなど犬を飼う上で必要不可欠なことを済ませている、というだけで安心感があり、譲渡を受けるハードルが下がりますね。
また、生後3カ月以上の犬については、愛護センターから引き出して3週間以内に狂犬病予防接種を行い、自治体へ登録します。
病気・けがなどの対応
ピースワンコ・ジャパンでは、病気の犬、老犬の保護も行っています。
専用の診療所が2カ所にあり、3名の獣医師が交代で週4回診察、治療を行います。
また、犬同士のけんかを避けるため、必要に応じて夜間はケージに入れる、シェルターに続く庭に出られるよう配慮するなどの対応を行っています。
保護犬の譲渡活動
殺処分対象犬の中には、人に慣れていない、優しくされた経験のない犬が多くいます。
ピースワンコ・ジャパンでは時間をかけて、スタッフやボランティアなどを通じて人は怖くないということを知り、徐々に人に慣れていきます。
譲渡活動
全国に8カ所(神石高原町・広島・福山・岡山・生駒・湘南・世田谷・あきる野)の譲渡センターで保護犬を飼うきっかけづくりを行っています。
譲渡希望の際は、まず何度か譲渡センターへ足を運んでもらい気になる犬とのふれあい、お散歩体験などを行います。
犬達が再び保護されることが無いよう、譲渡希望者と犬との相性を確認し、慎重な判断のうえ1週間前後のトライアル期間を経て譲渡されます。
譲渡後も、飼育相談などのアフターフォロー体制が整っています。
現在はコロナ禍で譲渡会は不定期となっていますが、オンラインで全国どこからでも保護犬を見ることができます。
▶保護犬の譲渡
保護犬から災害救助犬の育成
ピースワンコ・ジャパンでは、専門のトレーナーが犬の適性をみきわめ、犬の特性に応じて災害救助犬、セラピードッグの育成に力を入れています。
2018年度から、災害救助犬やセラピードッグ以外にも、糖尿病治療中の方が過度な低血糖状態に陥ったときに警告する「低血糖アラート犬」、農地をイノシシや猿などの獣害から守る「里守り犬」の育成にも取り組んでいます。
ピースワンコ・ジャパンの寄付金の用途
ピースワンコ・ジャパンへの寄付金は、犬たちの手術、ワクチンなどの医療費、フードなどの養育費、スタッフの人件費、各シェルターの光熱費などに利用されています。
飼育費用やスタッフの人件費のほかに、老朽化してくる施設や設備の修繕・補修費用など全て支援してくださる寄付により運営されています。
12,000円の寄付でワンコ1頭分の1年分のフィラリア駆虫薬、36,000円の寄付でワンコ1頭分の不妊手術を行うことができます。
ピースワンコ・ジャパンの母体となるピースウィンズ・ジャパンの会計報告については、
こちらのページでも詳しく記載されています。
ふるさと納税で殺処分から犬の命を守る
現在も約2,900頭の保護犬が暮らすピースワンコ・ジャパン。
愛護センターからの引き取りも依然として続いています。
全国的な殺処分頭数は減少傾向ですが、人間の身勝手な事情で2018年度は全国でも7,687頭の犬達が殺処分されている現状があります。
そしてピースワンコ・ジャパンでは、コロナ禍以前は定期的に行っていた譲渡会やドッグランなどの運営も不定期開催やオンライン開催となり、来場者数も減少しています。
譲渡される犬が減少し、シェルターにとどまる保護犬が増えています。
私も実際に犬を飼っていて、5歳3歳の子供がいます。
保護犬の譲渡に興味はありながらも、経済的余裕やお世話に費やす時間も限られ、実際に犬を迎えることは出来ない状況です。
このように様々な理由で協力が難しくても、ふるさと納税などの【寄付】という形で、犬たちの命を守るお手伝いができる、ということを知って頂けたら幸いです。
▶殺処分から犬の命を守る-ふるさと納税はこちらです
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